はじめに
こんにちは!市川です!
2026年6月〜Tozan Medical Officeという事業を開始しました。


登山前の体の不安、誰に相談すればいい?
そんな疑問・不安をいだいている登山者の方は意外と少なくないのではないでしょうか?
- 健康診断では“異常なし”だった。でも、久しぶりに本格的な山に登っていいのか、正直ちょっと不安……
- 健康診断で“糖尿病”と言われた。でも、何も症状はないし、このまま登山を続けてていいのかな?
- 登山が生きがいだったのに、心筋梗塞をやってしまった。主治医からは「登山はやめた方が…」と言われたけど…
そんなふうに思ったことはありませんか?
あるいは、
ご家族から「もういい歳なんだから、山なんて大丈夫なの?」と言われて、答えに詰まったことはないでしょうか。


僕は2019年から松本協立病院で登山者検診・登山者外来を実施しています。
Q:登山者検診とは?
A:登山者のための人間ドックです。
Q:登山者外来とは?
A:心臓病を抱えてしまった登山者が安全に登山を再開・継続するためのセカンドオピニオン外来です。
これまでのべ300名以上の登山者の身体を診させていただき、安全登山をするためのアドバイスをさせていただきました。
実はこの登山者検診・外来は受診者の半数以上は県外からの受診者です。
北は岩手、南は熊本と日本全国からわざわざ長野県松本市まで受診しに来ていただいています。
数万円の旅費をかけてわざわざ松本まで来てくれる方はおそらく少数派。
日本全国には潜在的にもっと多数の自分の体に不安を抱えながら登山をしている方が大勢いると推定されます。
「山岳医療を、相談できる距離に。」
この言葉をキーワードにTozan Medical Officeを立ち上げました。
まずは手始めに「登山者向けのオンライン医療相談」を開始します。
今回は僕が手掛けるTozan Medical Officeがどんなものかを皆様にご紹介します。
そうです。CM記事です😅
でも、必ずや登山者にとって有益な内容になります。
身体に不安がある方も、今は健康な方も是非最後までご覧ください!
登山者検診・登山者外来の詳細はこちら!👇️




なぜ「登山前の不安」は相談先がないのか
「山に登っていいか体調の不安があるなら、病院で聞けばいいのでは?」
——もっともです。
でも、実際に受診してみても“噛み合わない”ことが多いのは、実感されている方も多いのではないでしょうか?


① 健康診断では「山に登れる体か」教えてくれない
健康診断や人間ドックの目的は、あくまで「病気を見つけること」です。
主には生活習慣病であったり、癌がないかを探してくれます。
血圧・血糖・コレステロール・心電図・レントゲン・エコー・CT……どれも大切ですが、これらは「安静にしている普段のあなた」を写した一枚の写真にすぎません。
一方、登山は「低酸素・寒冷・連続した運動負荷」という、日常とはまったく別の環境に体をさらす行為です。
更には医療機関までのアクセスが遠く、何か1つの体調不良が命に関わる事態になることも稀ではありません。
健診の「異常なし」は、「平地で暮らすぶんには問題ない」という意味であって、「登山をしても大丈夫」というお墨付きではありません。
ここに大きなギャップがあります。
② かかりつけ医が“登山”の専門家であることは稀
かかりつけの先生は、皆さんの病気のことはよく知っています。
でも、「標高3,000mで血圧はどう動くか」「この薬は高所でどう作用するか」といった“登山特有の体の変化”は、診療科や経験によっては専門外です。
これは先生方の力不足ではなく、単に登山医学・山岳医療が1つの専門性がある特殊な分野だからです。
しかし、「山岳医療を医学生時代から医師になった後も含めて学ぶ機会はない」ので、やむを得ないのです。
「そもそも登山とはどういう環境でどういう負荷がかかるのか」
——登山をされない先生であれば知る由もありません。
結果として、
「登山はなんとなく危なそう」
➡️「疾患を抱えた人がリスクを取る必要はない」
➡️「やめておいたほうがいいのでは…」or「わからない」
と判断されてしまいます。
つまり、
- 病気のことを相談する先はある=病院
- 登山の方法を学ぶ方法はある=ガイド・山岳会・仲間
この2つはあっても、その間にある
- “病気と登山をつなぐ相談先”が、これまで世の中にほとんどなかったのです。
これが健康不安を抱える登山者を悩ませる正体であり、現実問題として、「山岳遭難死亡の約20%が心臓突然死」という結果につながっています。
つまり、不安を押し殺したまま登山を続けた結果、山中で命を落としてしまうケースがあるということです。
山岳医=登山に詳しい医師に相談する「3つの価値」


では、登山を知る医師に相談すると、具体的に何が分かるのか。
代表的な3つを、データとともにご紹介します。
価値1:自分でも気づかない“心臓リスク”を見積もれる
あまり知られていませんが、山岳遭難の死因の中で、転落や滑落と並ぶ大きな割合を占めるのが「心臓突然死」です。
日本国内の山岳遭難死因の第3位とされています。
登山者の高齢化に伴い、年々病気による山岳遭難・死亡が増えています。
登山中の病死の大半が、心臓・血管系のトラブルだと報告されており、怖いのは、その多くが「自覚症状のない、隠れ心臓リスク」から起きることです。
オーストリアの登山者を対象にした研究では、登山中に心臓突然死を起こした人の背景に、次のような危険因子が浮かび上がりました。
登山者の心臓突然死リスク(対照群との比較・オッズ比)👇
- 心筋梗塞の既往:10.9倍(95%CI 3.8–30.9)
- 糖尿病:7.4倍(95%CI 1.6–34.3)
- 高コレステロール血症:3.4倍(95%CI 2.2–5.2)
つまり、
- 心筋梗塞の既往歴がある方は、そうでない人より約11倍も山での心臓突然死リスクが高い
- 糖尿病がある方は、そうでない方よりも7.4倍も登山中に突然死するリスクが高い
ということです。



心筋梗塞をしてしまった方は慎重になるでしょう。
しかし、糖尿病の方はどうでしょうか?
「健康診断で血糖値が高いと言われたけど、様子を見ている」という方は本当に登山を続けて安全なのでしょうか?
自分がハイリスクであることを自覚している登山者は意外と少ないと思います。
逆に言えば、こうしたリスクは“事前に知って対策すれば減らせる”ものです。
「自分はどのくらいリスクがあって、登山を続ける上で何に気をつければいいのか」を登る前に見積もっておくこと自体に、大きな意味があります。
価値2:基礎疾患があっても「登れる条件」を一緒に探せる
逆に高血圧や糖尿病、特に心臓・呼吸器の持病があると、「もう山はあきらめたほうがいいのかな」と考えてしまいがちです。



前述の通り、心筋梗塞の既往は登山中の突然死ハイリスクなのであながち間違いではありません。
しかし、



僕がいちばんお伝えしたいのは、
「持病がある=登山禁止」ではないということです。
大事なのは“ゼロか100か”ではなく、「どんな山なら・どんな条件を整えれば登れるか」を見極めることです。
むしろ、心臓病を抱えている方でも、有酸素運動と下肢の筋力トレーニングはとても大切で、生命予後・健康寿命に大きな好影響を与えます。
登山はまさしく「有酸素運動+下肢の筋トレ」です。
登山をうまく活用することで、より健康的に過ごせる可能性が高いと僕は考えています(実証されているわけではありません)。
- 高血圧・糖尿病・心臓病の方が全くの無策で登山を続けるのはハイリスク
- 身体の状況を踏まえて、登り方や目標とする山のレベルを一緒に考えることに価値がある
価値3:「いつもの薬」と高所の相性をチェックできる
毎日のんでいる薬が、高所や登山という状況で思わぬ働きをすることがあります。
たとえば、むくみに使われる利尿剤や一部の降圧薬、睡眠薬などは、高所では脱水や呼吸への影響という観点から注意が必要なこともあります。
「この薬を飲んだまま登っていいの?」
「高山病の予防薬は自分にも必要?」
——こうした“常用薬×高所”のすり合わせは、まさに登山を知る医師=山岳医の出番です。




こんな人は、一度相談してみてください
次のどれかに当てはまる方は、登る前に一度、登山に詳しい医師に話してみる価値があります👇
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症など、生活習慣病がある
- 心臓・呼吸器の持病がある、または治療中・経過観察中
- 中高年で、久しぶりに本格的な登山を再開しようとしている
- 海外遠征登山を計画している
- 過去に高山病や、山で強い体調不良を経験した
- 家族に「その体で大丈夫?」と心配されている
「病院に行くべきか迷うけど、できれば専門家に相談してみたい」
——その“ちょうどよい不安”に応えるのが、これからご紹介するオンライン医療相談という選択肢です。
「オンライン相談」という選択肢:3つのプラン


2026年6月〜登山に関わる全ての人にとって、山岳医療を相談できる距離にするためのサービス ーTozan Medical Officeー を開始しました。
これから様々なサービス提供を考えていますが、
第1弾として開始するのが、オンライン医療相談サービス「Tozan Medical Consulting -登山×医療相談-」です。
- 📱 LINEチャット相談
LINEで最大3往復・有効期限3ヶ月。「まずは気軽にひとつ聞いてみたい」入口プラン。
現在受付中です。 - 💻 スタンダード(オンライン30分)
Google Meetでオンライン対面相談。基礎疾患のない方や、生活習慣病のみの方向け。
2026年7月上旬開始予定。 - 💻 プレミアム(オンライン60分)
心疾患など、基礎疾患のある方向けにじっくり。
2026年7月上旬開始予定。
スタンダードプランとプレミアムプランは心疾患の有無で区別していますが、あくまで目安であり、必ずしも該当しなくてもかまいません。
つまり、心疾患がある方がスタンダードプランを受けても構わないし、心疾患がない方がプレミアムプランを受けていただいても構いません。
なお、オンライン診療ではなく、オンライン健康相談になります。
つまり、診療=個別の診断・治療・処方はできません。あくまで登山と病気・健康についての一般的な情報提供・助言になります。
安全のため、妊娠中の方・18歳未満の方・すでに緊急の症状がある方は対象外としています。
よくある質問(Q&A)
Q. 病院を受診する代わりになりますか?
A. いいえ。
あくまで「登山と病気・健康」についての相談で、診断・治療・薬の処方はできません。
治療が必要そうなときは、受診をおすすめします。
場合によっては、登山者外来の受診をオススメさせていただき、病院で適切な診断・治療につなげることも可能です。
Q. どのプランを選べばいいか分かりません。
A. まずは気軽にLINE相談をお勧めします。
その結果として、しっかり相談が必要であればスタンダードやプレミアムプランをオススメさせていただきます。
迷ったらまずLINEで聞いてみてください。
Q. 今、胸が痛い・息が苦しいのですが?
A. それは相談ではなく受診のサインです。
緊急性のある症状があるときは、すぐに最寄りの医療機関・救急外来を受診してください。当サービス内で緊急性・危険性を察知した場合も、すぐに受診をご案内します。
Q. オンライン医療相談はどんな流れですか?
A. 以下の流れになります。
- 予約確定後2日以内にWeb問診票、当日のGoogle Meet URLをメールでご案内します。
- 当日までにWeb問診票(既往歴・内服薬・運動習慣・登山経歴など)にご記入いただく。
- 当日はGoogle Meetでお顔を見ながらお話しします。
- お顔の様子も病状を把握する情報になるため原則顔出しをお願いしていますが、顔出しなしでも対応可能です。
- 後日、要点と注意点をまとめた資料をメールでお渡しします。
- ご自宅から、ご家族と一緒に受けていただくこともできます。
まとめ:「山に登っていいか」は、山に詳しい医師に相談するべき
- 健診の「異常なし」は、「山に登れる体」のお墨付きではありません
- 山岳遭難の死因の約20%は心臓突然死。その多くは”隠れリスク”から起きる
- 心筋梗塞既往で突然死リスクは約11倍!→適切な相談・対策が必要
- 持病があっても「登れる条件」を一緒に探すことはできる
- 「病院に行くか迷いがある…、でも不安もある」に応えるのが、“登山者向けオンライン医療相談”という選択肢
- 不安を抱えたまま登るのは、実際に危険です。
- 逆に、不安だから登山をやめてしまうというのも、もったいない。
このギャップを埋めるために…
- 「山に登っていいか」は、山に詳しい山岳医にぜひ相談してください!
「登山者向けのオンライン医療相談という選択肢がある」ということだけでも持ち帰っていただけたら嬉しいです。
登山に関わる全ての人にとって、「山岳医療を、相談できる距離に」
この事業が、結果として、皆さんが安全に楽しく登山をするお手伝いができればいいなと考えています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!



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